「センチメンタルな秋」

6時のタ−ミナルで ふりむいたきみは
板に付いた 紺色のス−ツ
今でも気まぐれに 街をゆくぼくは
変わらないよ ああ あの頃のままさ


神奈川の高校に通っていました。普通の公立高校でもあったし、時代も今よりものんびりしていたのかとても自由な校風だったと思います。男子が女子の二倍いたので、女子高生のお洒落でキャピキャピした感じというよりも、バンカラな男子や運動部からガリ勉系の男子まで、それこそいろんな個性の友人たちが周りに多くいました。
高1の時は、休み時間にはいつもギターの音が流れてました。授業と授業の間の短い10分くらいの休み時間に、クラスの男子の誰かが、ギターを弾き出すのです。まだまだフォークソングを歌う時代でしたので、拓郎や陽水、オフコース、サザン、ユーミンなどの曲がいつもリクエストされ、弾き語りで歌い始めると、たちまち皆で合唱という流れになるのです。

私たちの担任の先生は、大学を卒業して二年目の、初めて担任のクラスを受け持った、まだ若い女性教師でした。今思えば、歳は8歳しか違わなかったのですね。ある秋の日。いつものように、休み時間にギターで皆で歌っていたのですが、休み時間が終わったのにまだしばらく歌っていました。次の授業のために、その担任教師が入って来たのですが、先生に怒られる〜、と皆で慌てたのですが、その日に限って、先生はその曲に聴き入ってしまいました。何も喋らず、ギターを弾くその男子をじっと見つめていました。そして、口元はそっと口ずさんでいました。
曲が終わって、“ありがとう。とてもいい曲よね。”
先生もこの曲好きなんだね…。