かつての上司

友人の葬儀で、昔の所属長に会った。
久しぶりの再会だった。

私が知っている男性の中で、一番オシャレな人だと思う。

バブル全盛期、DCブランドのファッションに群がる若者の友人を外に、その上司は、老舗百貨店や専門店のアドバイザーと相談しながら、上質な生地を自ら選んで仕立ててもらうのが流儀であった。TPOに合わせて選ぶカフスがとても素敵で。翡翠、トパーズ、アメジスト。若かった私は、ひそかに宝石の名前を調べて覚えたものだ。

受付で記帳している彼の手元を見ると、黒いダブルのカフス。オニキスだろうか。

不謹慎かもしれないが、素敵な上司に見送られて、彼女は天国へ旅立てたのではないだろうか。
気持ちが落ち込むばかりで、髪のセットもそこそこ、メークもどこか手抜きした感じがぬぐえなかった自分とは大違いだ。

もう一度、不謹慎かもしれないが、身なりとはとても大切だと感じた。勉強になった。