生きた 書いた 恋した

墨の舞―書の現代を求めて

墨の舞―書の現代を求めて

書家の町春草が好きだ。
今は、女流書家は見るようになったが、それこそ町さんの生きた昭和三十年代、四十年代は、まだまだ男性社会であり、簡単に活躍の場を得られるのは難しかっただろう。きっと、はねっ返りの女性だったのだと思う。おてんばで自由で…。臨書や漢詩の伝統的な書道界の中にあって、明るい書、親しみやすい書を書き、自作の詩を書き、画家とのコラボレーション、デパートでの個展開催など、それまで誰もがやったことがない事を多くやった人。

かわいい。

町さんは、何も、今までの書道界に無かった事がしたかったのではないと思う。
ただ単に、自分の好きなもの、書きたい物を作品にしたに過ぎない。画廊ではなくデパートにしたのは「たくさんの人が見に来てくれるから」だし、自作の詩や自分が大好きな詩、俳句、ジョンレノンの歌詞を書いたのも、その作品が‘大好き’だったからにすぎない。

書道家としてというより、女性の生き方として憧れる。
私も、「生きた 書いた 恋した」 と言える人生を送ってみたいものである。